一般的に自転車はメーカーで50% ~ 70%組立てられ、あとの50% ~ 30%は販売店で組立て、調整されて完成します。
しかし、メーカーでは流れ作業の機械組立ての為、車輪の上下左右の狂い、ワイヤーなどの不揃い等、正確に
組立てられていない場合が多いのです。 当店では、具合良く、安全、快適にお使い頂ける様、手間も暇もたっぷりかけて性能を100%発揮できるよう1台1台丁寧に組み立てをしています。 |
こばりサイクルでの組立
■メーカーから届いて箱から出した状態です。ご覧のようにハンドル、サドル、ブレーキだどがバラバラの状態です。車輪にはタイヤが取り付けて有りますが車輪のチェックの為、取り外します。具合良く、きれいに組立るには丁寧に時間をかけて組み立てていきます。 |
■ ホイール(車輪)の調整
ホイール調整の重要性完成車の場合ホイール(車輪)はメーカーで組立て、タイヤも装着して送られてきます。しかし工場では機械組作業の為、リムの上下左右の振れ(狂い)、ホイールのセンター及びスポークの張力などが正確に出来ていません。ホイールが正確に調整されていないと①車輪の回転面とフレームの芯(センター)が一致せず走行抵抗が大きくなる②ブレーキの調整が正確に出来ない③少し走行すると狂いが大きくなるなど具合が良くありません。
■ 当店でのホイール調整①タイヤを外して振れ取台にセットする②スポークをしごいて初期の狂いを出してスポーク、ニップル等なじませ、その後スポークの張力を調整し狂いを修正する③振れ取台より外し,図Aの様にホイールの左右からセンターゲージを当てセンターのチェック④その後何回か②、③の作業を繰り返し、さいごにセンターゲージ でホイールセンターを再度確認し、スポークテンションゲージにてスポークの張力もチェックし完成します。 |
■ 正確なホイールとは右上の図Bの様に A と B の寸法が同じで、センターが出ていて、スポークの張力が適正で回転させて上下左右に振れないホイールです。■ 完組ホイールに付いて最近は完組ホイールが多くなりましたが、センターが出ていない物やハブの調整が必要な物も多数有りますので使用前に点検が必要です。 |
■ フレームの点検
フレームにキズが無いか、フレームの精度に問題は無いか、組立前に十分チェックします。■ フレームの精度をチェック正確に組立られた車輪をフレーム&フロントフォークに取付けます。その際フレームと車輪(リム)の間隔A,Bが同じ位であればOKです。(右図参照) 間隔が極端に違う場合はメーカーへ修正を依頼します。 |
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■ リアディレーラー取付台座のチェック変速性能を100%引き出す為Rメカ台座(後変速機取付け部)が後輪回転面に対して平行になっているか等、 専用工具を使用して各部の点検をし必要に応じて修正します。点検するとほとんどのモデルが狂っています。 使用過程においても、転倒時などで曲がってしまう事が多いので点検が必要です。 |
■ パーツの組立
自転車のパーツ(ハンドル、ブレーキなどの部品)は取り付け方と調整の具合で性能が変わってきます。たとえばハンドルにブレーキレバーを取り付ける場合、取付位置や角度はハンドルの取り付け角度によって微妙に違います。一般的に自転車パーツは取り付け位置の範囲が広いが(どの位置にも取り付く)、使い勝手が良く性能を発揮できる取り付け位置の範囲は案外狭いのです。■ 左右ブレーキレバーの取付位置と角度の同調角度、高さが左右で少しでも違うと具合が悪ものです。特にドロップ用のブレーキレバーの高さは揃えにくいのですが、 ブレーキレバーを仮止めして平らな所へ置き、ハンドルの形状、バーの取付角度等考慮し使いやすい」位置へ正確にセッティングします。 |
■ ワイヤー類の長さを整えるメーカー出荷時、自転車の大きさ(フレームサイズ)が違ってもブレーキアウター、変速アウターの長さは同じ場合が多いのですが、サイズが小さい場合長すぎてハンドルを切った時など引っかかったり、アウターのカーブがきつく内部抵抗が大きくなります。又、見た目もきれいとは言えません。この様な場合、いったんワイヤーを外してアウター (外側)の長さを適正な長さに整えます。アウターをカットすると(B)の様に切り口にバリが発生し中を通るケーブルが引っ掛り抵抗が大きくなります。丁寧にヤスリを掛けて(C)の様に仕上げる事によってスムーズに動く様になります。 又、アウターケーブル内部に防錆とに内部抵抗を減らすため特殊潤滑剤を流し込みます。 これで引きが軽く、快適に使用できます。 |
長くてカーブがきつく抵抗が大きい | 長さを整えた事で内部抵抗が減少 |
■ ブレーキ、シフトワイヤーをなじませるワイヤー類は使用していると引っ張られ初期伸がでます。伸びるとブレーキがあまい、変速がうまく決まらない等、具合が悪くなります。組立て時に、それぞれのワイヤに力を入れて引っ張り、最初に初期伸びを出してからワイヤーの調整をします。この作業により安定した変速性能が可能になります。 |
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■ ブレーキシューの調整ブレーキシュー(ゴム)は使用過程においてだんだんすりへってきます。へってくるとリムに当る位置が少しづつ変わってきます。シューが磨耗するとキャリパーブレーキの場合は上方向へ、Vブレーキの場合は下方向へとシューがリムに当る位置は変化していきす。 この様なシューの減り(変化)を計算して、取り付け位置を調整します。又、音鳴りをしない様、シューの角度も調整します。 |
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ここでご紹介した内容は当店のスペシャ ル チュンナップのほ
んの一部です。 実際の組立て工程においてはその他さまざまなノウハウが注ぎ込まれて完成します。 レディメード(既製品、完成車)の場合の組立の説明でしたが、カスタムオーダーメイド場合、ホイールの点検はもちろん、BBのフェースカットなど多くの作業工程を経て完成します。 |